「どちらもネットが使えるから同じじゃないの?」
「WiMAXも固定回線も両方契約中だからどちらか解約しようと思っているんだけど。」
このような状況に置かれている方も多いのではないでしょうか。
しかし,WiMAX回線と固定回線の特徴を捉えていなければ,誤った選択をしてしまうかもしれません。
私はWiMAX回線と固定回線の両方を使用していますが,2つの回線は利用用途によってすごく便利だと感じたり,逆にとても不便だと思うこともあります。
今回は,WiMAX回線と固定回線の違いや各ご家庭にあったインターネットサービスについてお伝えしていきます。
目次
WiMAXと固定回線の違い
まずは,WiMAXと固定回線の異なる点について確認していきます。
WiMAXの特徴
WiMAXはモバイル型のルーターと据え置き型のルーターの2種類があります。
モバイル型のルーターが人気で家でも外出先でも面倒な設定なしに利用することができます。
契約後にインターネット回線開通工事を行う必要もありません。
WiMAX端末が宅配便で届けば,即日利用を開始できます。
契約時に無制限プランを選択することで,月間容量無制限で快適にインターネットを利用できます。
月額料金も約4,000円と固定回線と比較し,リーズナブルな価格になっています。
ここまで見ると,非常にコスパの良い便利なインターネット回線のように感じますが,デメリットも存在します。
WiMAXは3大キャリア(au,docomo,Softbank)が利用しているLTE回線とは異なる周波数帯の独自電波を使用します。
独自電波はLTE回線と比較すると高周波数帯であるため,山間部やトンネル,地下やオフィス街などでは接続しづらかったり,圏外表示になる可能性があります。
都心部は基地局の増設などで比較的良好な状態で利用できますが,地方の場合はサービス提供エリア内であっても電波の受信感度が悪い地域があります。
また,1人のユーザーが短時間で大量のデータを送受信すると,他のWiMAX利用者に公平なリソースを割けなくなる恐れがあるため,予告なく速度制限が実施される場合があります。
メリット
- 外出先にも持ち運べる
- 開通工事が不要
- 月間容量無制限で利用可能
- 月額料金は4,000円ほど
デメリット
- 電波を受信しにくいエリアがある
- 短時間に大量のデータを送受信すると,一時的に速度制限が実施される場合がある
- 固定回線と比較すると,通信速度が不安定
固定回線の特徴
固定回線では,安定したインターネット環境を構築することができます。
特に通退勤ラッシュ時間帯や昼休みの時間帯は回線が混雑する時間に当たるのですが,固定回線の場合はほとんど速度を気にすることなく快適に利用できます。
通信制限などもモバイル回線と比較してゆるいため,通常利用の範囲で制限対象となることはありません。
無線LANルーターを設置すれば,有線LANで接続せずとも,モバイル回線より遥かに高速インターネット環境を実現可能です。
ただ当然,固定回線はインターネット回線を敷設した場所でのみの利用となります。
固定回線の契約後は開通工事が必要になりますが,この工事が1ヶ月待ちということもありますので,契約の際は確認が必要です。
工事費は戸建住宅の方が,マンションと比較して高く設定されている傾向にあります。
メリット
- ネット環境が安定している
- 高速通信が可能
- モバイル回線より通信制限を受けにくい
デメリット
- 初期費用が必要
- 開通工事が必要
- 工事費用が発生する
- マンションは戸建てと比較して速度が低下しがち
利用場所による適切な選び方
インターネットを利用する場所によっては,必然的にどちらかの回線に絞られてしまう場合があるため,今からその例を紹介します。
WiMAXの利用が必須な環境
- 外出先でも利用したい
- インターネット利用場所で工事ができない
- 頻繁に引っ越しをする
上記の場合はWiMAX回線1択となります。
固定回線は開通工事が必ず必要になりますし,敷設した場所でのみ利用可能です。
戸建て住宅の場合は,家を建てる際に固定回線の工事も済ませてしまうケースが多いです。
頻繁に引っ越しをする方も,その都度固定回線を契約して開通工事をしていては費用がかさみますので,WiMAX回線をおすすめします。
固定回線の利用が必須な環境
- 鉄筋コンクリート製の場所で利用したい
- LTE回線の電波が届きにくい場所で利用したい
このような場合には,固定回線をおすすめします。
LTE回線の電波は様々な場所に届きやすいよう,速度に強い電波や障害物に強い電波など複数の電波を飛ばしています。
それらの電波が届きにくい場所でWiMAX回線を快適に利用することは不可能です。
WiMAXのサービス提供エリアはLTE回線より狭くなっているため,LTE回線が受信できずにWiMAX回線の電波だけ受信できるということはありえません。
また,鉄筋コンクリート製の建物は電波を遮断しやすいため,近くでWiMAX回線の電波が飛んでいても宅内まで届かない場合があります。
利用人数による適切な選び方
一度に同じ回線を利用する人数が多ければ多いほど,回線は不安定になりがちです。
そこで,この項では利用人数別にWiMAX回線と固定回線のどちらがおすすめか,ご説明していきます。
1人暮らし
1人暮らしの場合は,断然WiMAXがおすすめです。
最近のマンションやアパートでは管理会社が事前に敷設している固定回線を無料で利用できるケースもありますが,10年近く前の設備をそのまま利用している場合も多いため,通信速度は期待できません。
WiMAX回線は電波の受信感度さえ良好であれば,4G LTE回線より速いインターネット環境を手に入れることができるため,不満を持つことはほぼ無いでしょう。
最近,駅やショッピングモールで増えてきたフリーWi-Fiですが,セキュリティの観点から利用は好ましくありません。
しかし,WiMAX回線さえ持っていれば,わざわざ出先でフリーWi-Fiを探す必要もありませんし,セキュリティも向上します。
2~3人暮らし
全員が日中に在宅していない場合は,WiMAX回線をおすすめします。
理由は,自宅固定のインターネット回線がさほど必要にならないからです。
普段は外出先で頻繁にPCなどを利用する方がWiMAX端末を持ち歩き,その他の方はスマートフォンのテザリング機能を活用しましょう。
テザリンクはLTE回線を利用することになりますが,大容量のデータを送受信しない限り,不便に感じることは少ないと思います。
ただ,3人暮らしで日中に1人でも在宅している場合は,固定回線をおすすめします。
固定回線を選択することによって,自宅で安定した通信を行うことができます。
今まで自宅でもLTE回線を利用していたという方は,携帯会社のプランを安いものに乗り換えるというのもありだと思います。
そうすることで,自宅では安定した固定回線,外出先では今まで通りLTE回線という最適なインターネットライフが完成します。
4人以上暮らし
4人以上同じ場所で暮らしている場合は,固定回線をおすすめします。
人数が多くなればなるほど通信容量が増えますので,通信制限にもかかりやすくなります。
そうなると,通信費は安くても満足できるインターネット環境でなくなってしまい,本末転倒です。
そして,1人あたりの通信機器が増えてくると1台のWiMAXモバイル型ルーターでは処理しきれなくなってしまいます。
外出先でインターネットを利用したい場合は,スマートフォンのテザリング機能を使いましょう。
結論: WiMAXが最強ではなかった
この記事を読むまでは,WiMAX最強説があったのではないでしょうか。
WiMAX回線も固定回線もそれぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらの回線を選ぶかは,利用人数と利用環境,生活リズムなどによって決定しましょう。
とくとくBBは,インターネット関連業を幅広く手掛けるGMO社によって運営されているプロバイダー。最大31,000円のキャッシュバックキャンペーンを実施しており,ルーター端末代金は無料。
Broad WiMAXは,月額料金が安いので余分な出費を抑えられる。一部の地域で店舗受け取りサービスが利用でき,最短当日から使い始められる。他社回線からの乗り換えで違約金を負担してもらえるのも魅力的。
カシモWiMAXは毎月利用料金が割引され,3年目も安く利用できる。ルーター端末は最新機種の取り扱いがあり安心である。使い方がわからないときは電話1本で手厚いサポートが受けられる点も高評価。
BIGLOBEは最低利用期間が1年で短いため,気軽に試すことができる。ルーター端末ありのプランを契約すると,15,000円のキャッシュバックが受けられる。口座振替決済に対応しており,利用しやすい。
SPACE Wi-Fiはレンタル型サービスで,契約期間に縛りがない。月単位で契約でき,出張や旅行時に重宝する。事務手数料や端末代金などの初期費用や違約金は一切必要なく,手軽に利用できるのが特徴である。