WiMAXでは契約時にモバイル型と据え置き型の2種類のルーターが選べるようになっています。
WiMAXを契約している方の多くは，利便性を考慮してモバイル型を選択しています。
モバイル型のルーターはバッテリー駆動でどこにでも持ち運べる半面，据え置き型のルーターには敵わない部分もあります。
このモバイル型ルーターを少しでも据え置き型ルーターのように利用できるよう強化した製品がクレードルです。
そこで今回はWiMAXで用意されているクレードルと何か，どんな特徴があるのかお伝えします。
目次
WiMAXのクレードルとは
WiMAXでは，ルーターの他にクレードルと呼ばれる製品が用意されています。
クレードルはルーターの付属品ではなく，オプション品となります。
プロバイダーによってはルーターの端末代金が無料のところもありますが，この端末代金にクレードル代は含まれていないため，クレードルが必要な場合は代金を支払って購入する必要があります。
クレードルはモバイル型ルーターの機能拡張を目的としており，据え置き型のルーターでは使用できません。
また，モバイル型でも機種によってそれぞれ用意されていて，他機種のクレードルとは互換性がありません。
クレードルはWiMAX契約後でも各オンラインストアで購入できます。
クレードルを使うメリット
クレードルには，モバイル型ルーターを拡張するための機能が搭載されています。
ここでは，その中から特に便利だと思う機能を厳選して紹介していきます。
機器を有線接続できる
クレードルには，有線でインターネットを楽しむための有線LANコネクタが搭載されています。
無線接続では安定しない機器やPC，ゲーム機を有線接続したい場合に役立ちます。
LANポートはギガビット対応で高速なインターネット通信が可能です。
有線LANを無線化できる
ホテルや旅館で有線LANケーブルが利用できる場合は，そのケーブルをクレードルに接続することで簡単に有線ネットワークを無線化できる機能です。
この機能は出張や旅行先のインターネット提供形態が有線のみのホテルや旅館で利用されるケースが多くなっています。
また，クレードル経由で有線LANネットワークを無線化することで，セキュリティを向上させることができます。
通常の公衆無線LANの場合は誰でも接続できるようになっているため，場合によっては電波を傍受・解析されることがあります。
でも，クレードルで自分だけしか利用できない無線ネットワークを構築することで，セキュリティレベルを上げて万が一に備えることができます。
WiMAX電波の受信感度が高くなる
WiMAXのルーター内には電波を受信するためのアンテナが内蔵されています。
一般の家庭用無線LANルーターのように外側にはアンテナがついていないので，知らなかったという方もいるかもしれません。
しかし，モバイル型ルーターの場合はこのアンテナが貧弱で受信感度が下がってしまっています。
ルーターの筐体が小さい分，どこかのパーツの性能が犠牲になってしまうのですが，受信感度が悪いのはあまり良いことではありません。
この悩みを解決するためにクレードルでは追加のアンテナが用意されています。
アンテナはクレードルに内蔵されていて，モバイル型ルーターをクレードルに接続することでルーターとクレードルの両方のアンテナで電波が受信できるようになります。
単純に考えて，ルーターのアンテナだけよりクレードルのアンテナもあった方が電波は受信しやすくなりますよね。
クレードルで充電可能
クレードルでは無線電波を有線化したり，アンテナを増強して受信感度を良くしたりと様々な付加機能を提供しつつも同時に充電することが可能です。
クレードルのルーターを置く部分にUSB Type-Cコネクタの突起がついており，その部分にルーターを接続することでクレードルに搭載されているすべての機能にアクセスできるようになります。
クレードルを自宅に置いておき，帰宅したらルーターをクレードルに戻すという習慣をつけておけば，ルーターの充電をし忘れる心配もありません。
ただ，クレードルのUSBコネクタ部分は強引に引っ張ると曲がったり折れたりしてしまうことがありますので，注意してくださいね。
クレードル購入前に
ここまでクレードルの利点について見てきました。
もしかすると，現段階で既に「クレードルの購入は必須じゃない?」と思い始めている方もいるかもしれません。
しかし，クレードルの購入前には留意しておくべきポイントがいくつかありますのでご覧ください。
クレードルは端末代金が必要
冒頭でもお伝えしたとおり，クレードルはWiMAXを契約する際に同時に申し込むことができますが，クレードルの代金は別途必要になります。
GMO とくとくBBやBroad WiMAXではルーター端末が無料で手に入りますが，クレードルは含まれていません。
クレードルも無料であると勘違いして申し込むと実費を請求されますので，ご注意ください。
クレードル利用者は少なめ?
クレードルはオプション製品の位置づけであるため，使わなくてもWiMAXの利用に支障はありません。
あくまでモバイル型ルーターを据え置き型ルーターの性能に近づけるためのツールだからです。
現在ではクレードルを利用していない人の方が多くなっています。
最新端末ではクレードルなし
WiMAXのモバイル型最新ルーター「Speed Wi-Fi NEXT W06」では，クレードル製品が用意されていません。
つまり，必要ないと判断されたわけです。
最新端末では据え置き型ルーターに匹敵する性能を持ち合わせていて，クレードルがなくとも十分に実用レベルなのです。
PCのネットワークを有線で接続したい場合は，ルーターとPCをUSB接続することでLANケーブルよりも高速なインターネット通信が可能になっています。
クレードルをおすすめできる人
モバイル型ルーターを選択予定の方で自宅ではさらに高速なインターネット通信を行いたいという方におすすめです。
クレードルを利用することで電波受信感度が良くなり，有線接続も可能になることから，従来よりも高速な通信が実現するはずです。
また，有線での接続にこだわりがある方にもおすすめします。
インターネットは無線接続で安定して利用することは難しいため，クレードル経由でLANケーブルを利用するのはありだと思います。
有線か無線かで応答速度や回線速度に差が出ますし，デスクトップPCなどでは無線LANに対応していない場合もあります。
外出時にWiMAXルーターを持ち歩きたいという方は自宅でクレードルの利用をご検討ください。
結論: クレードルは必要に応じて利用すれば良い
ここまでクレードルについてご紹介してきましたが，必ず購入しなければならないものではないとお分かりいただけたでしょうか。
今現在発売されているWiMAXのモバイル型ルーターであれば，ほとんど据え置き型に近い性能を発揮することができるようになっています。
最新モデルではクレードルの発売がないことからも，クレードルの役目は徐々に終えてきているのではと感じています。
昨今はテレワークでのWiMAX利用も多いかと思いますが，ほとんどの機器は無線LAN接続が可能だと思いますのでクレードルをわざわざ購入する必要はありません。
既に旧機種をご契約中の方やクレードルを利用する必要がある方のみご購入いただければと思います。
最後になりましたが，本記事がWiMAXを検討しておられる方々の知識の1つとなれば幸いです。
とくとくBBは，インターネット関連業を幅広く手掛けるGMO社によって運営されているプロバイダー。最大31,000円のキャッシュバックキャンペーンを実施しており，ルーター端末代金は無料。
Broad WiMAXは，月額料金が安いので余分な出費を抑えられる。一部の地域で店舗受け取りサービスが利用でき，最短当日から使い始められる。他社回線からの乗り換えで違約金を負担してもらえるのも魅力的。
カシモWiMAXは毎月利用料金が割引され，3年目も安く利用できる。ルーター端末は最新機種の取り扱いがあり安心である。使い方がわからないときは電話1本で手厚いサポートが受けられる点も高評価。
BIGLOBEは最低利用期間が1年で短いため，気軽に試すことができる。ルーター端末ありのプランを契約すると，15,000円のキャッシュバックが受けられる。口座振替決済に対応しており，利用しやすい。
SPACE Wi-Fiはレンタル型サービスで，契約期間に縛りがない。月単位で契約でき，出張や旅行時に重宝する。事務手数料や端末代金などの初期費用や違約金は一切必要なく，手軽に利用できるのが特徴である。
