どの格安SIMサービスでもドコモ回線が契約できるけど違いはあるの? サービス内容も違うのかな…
今回はこのような疑問にお答えします。
最近は格安SIMの存在を知る方も多くなり,大手キャリアから格安SIMへ乗り換えを検討している方も増えているように感じます。
しかしいざ乗り換えるとなると,自分にどのサービスが適しているのか,どのプランを契約すべきなのか分からないという方も多いはず。
そこで本記事ではドコモ回線を利用する格安SIMに焦点をあて,どのような特徴があるのか,おすすめの格安SIM事業者はどこなのかを詳しく解説します。
目次
ドコモ回線の格安SIMとは
格安SIMの多くはドコモ回線を借りて運用しています。
そもそも格安SIM事業者は自社回線を保有しておらず,大手キャリアであるau,docomo,Softbankの3社から借り受けた回線で運用しています。
そのため,格安SIMプランにはAプラン,Dプランといった表記があり,格安SIM事業者と契約しても,実際に利用する回線は大手キャリアの回線なのです。
最近では複数種類の回線の契約を1社で行えるマルチキャリア対応事業者も増えてきており,ますます便利になってきています。
エリア
ドコモ回線の格安SIMで利用できるエリアは本家ドコモ回線と同じです。
ドコモはauやSoftbankと比べて利用できるエリアが一番広いと言われており,電波が届きにくい山間部やトンネルなどでも良好な電波状況を実現しています。
また,登山道へ専用アンテナを設置したり,沿岸基地局を増強することで海上でもインターネット通信を利用できるようにしたりと,様々な場所で快適に使えるよう日々整備を行っています。
頻繁に利用する場所で電波状況が悪い方はドコモ回線へ乗り換えると改善するかもしれませんよ。
対応周波数帯 (バンド)
ドコモ回線の格安SIMで利用する周波数帯はどのようになっているのか見ていきましょう。
周波数帯に関しても本家ドコモ回線と同じものを利用します。
バンド (周波数帯) | 備考 |
1 (2.1GHz) | 主要周波数帯の1つで,ほとんどの端末でカバーされている。 |
3 (1.8GHz) | 東京・名古屋・大阪を中心に運用されているバンドで,この地域に済んでいる方は必須。利用する周波数帯の中では下り最高速度が約150Mbpsと最も速い。今後,対応エリアが広がるかも。 |
19 (800MHz) | 主要周波数帯の1つでプラチナバンドと呼ばれる。周波数帯が低いため,建物内や山間部などで電波が回り込み,拾いやすくなる。 |
21 (1.5GHz) | 地方都市でメインに利用する周波数帯で非対応の端末も多い。この周波数帯は地方の速度対策用であるため,Band 19にさえ対応していれば掴めなくてもひとまず問題ない。 |
28 (700MHz) | 日本国内の一部の地域で運用されている周波数帯で,これもプラチナバンド。 |
42 (3.5GHz) | ドコモでは「PREMIUM 4G」と呼ばれる周波数帯で,LTEのその先,LTE-Advancedと言われている。2020年03月からは最大1.7Gbpsで提供中しており,利用するには「4G+」や「LTE+」と表記があるドコモスマホを利用する必要がある。 |
使用する周波数帯は6つになりますが,その中でも最も重要なのがBand 1 / 3 / 19です。Band 21も対応していればなお良いですが,利用できなくても支障ありません。
ドコモ回線ではBand 1 / 3 / 19 / 21を利用する周波数帯をまとめてクアッドバンド呼んでおり,広範囲で利用できるプラチナバンドと速度が売りのメインバンドを融合した形となっています。
一般的には周波数帯が高いほど高速なインターネット通信が可能で,低いほど広範囲に届きやすい電波となります。
Band 1であればメインで利用することから高周波数帯で高速通信に特化し,Band 19であれば低周波数帯で山間部や地下など電波が届きにくい場所に特化しています。
ドコモ回線格安SIMの特徴
ドコモ回線の格安SIMにはau,Softbank回線にはない特徴がたくさんあります。
今回はその中でも特徴的な3つに絞って解説します。
対応スマホが多い
ドコモ回線の利用者は他社回線と比較して多いため,SIMフリースマホはドコモ回線に対応したバンド構成に仕上げています。
特に海外スマホの場合はau・Softbank回線で利用するバンドに対応していない場合が多いですが,ドコモ回線であれば問題なく利用できることがほとんどです。
ドコモ回線の格安SIMを利用することで自分自身が利用したい端末を自由に選ぶことができ,毎月の利用料金も本家ドコモよりグッと安くなるのでおすすめです。
また,ドコモショップで購入してSIMロックを解除していないスマートフォンでも,ドコモ回線の格安SIMを契約すればSIMロック解除手続きをすることなくそのままご利用いただけます。
したがって,新機種を購入する場合でも所有している端末を継続して利用する場合でも,面倒な手続きを行うことなく契約・乗り換えが可能なのです。
格安SIMでの取り扱いが豊富
ドコモ回線は多くの格安SIM事業者で取り扱いがあり,契約できないプロバイダーはほとんどありません。
加えて,多くの格安SIM事業者が取り扱うため,通信容量やオプションサービスが異なります。
プロバイダーによってはSMSの通信費がカウントされない「SMSフリーオプション」,音楽・動画配信サービスの視聴で使ったデータ容量が消費されない「エンタメ・フリーオプション」など,超お得に利用できるプログラムが豊富に用意されています。
使い方次第では今まで10GB以上のプランを利用していた方でも3GB程度の契約で済むことになります。
近年は動画配信プラットフォームやSNSの利用が急増していますので,対象サービスを頻繁に利用する方は検討してみてください。
iPhoneでのテザリングに完全対応
テザリングは携帯電話をアクセスポイント化して,外出先でもWi-Fiネットワークを利用できるようにする機能です。
iPhoneではインターネット共有という名称で提供されており,ここ数年で発売された機種にはすべて搭載されています。しかし,auやSoftbank回線のモバイルネットワークを利用している場合,一部の端末でテザリングが利用できない制限があるのです。
すべての端末で制限されるわけではないため問題なく利用できるケースも多いのですが,いざ使おうと思ったら利用できなかったというのは悲しすぎますよね。
でも,ドコモ回線の格安SIMならすべてのiPhoneでテザリング機能が利用できます。もちろん,テザリング機能を搭載したAndroidスマートフォンでも使えますのでご安心ください。
テザリングはPCやモバイル端末を手軽にインターネット接続できるので大変便利です。
ドコモ回線のおすすめ格安SIMサービス5選
先程,ドコモ回線を取り扱っている格安SIMサービスはたくさんあるとお伝えしました。
選択肢が多くなるのは嬉しいことなのですが,どのプロバイダーが最適なのかを見極める必要があります。
そこで,当記事ではおすすめ格安SIMサービスを5つに厳選してご紹介します。
LINEモバイル: SNSフリー
LINEモバイルでは全プランでLINEの通信費がかからないサービスを提供しています。
具体的には,トークルームで写真や動画などのコンテンツを送受信した際の通信量,LINEの音声・ビデオ通話を利用した場合に発生した通信費などがカットされます。
長時間通話するとそれだけでかなりの通信容量を使ってしまいますが,LINEモバイルならLINEアプリで発生した通信費はカウント対象外になります。
たとえ1ヶ月分のデータ容量を使い切って速度制限対象になっていても,LINEアプリは速度制限を受けることはありません。
その他にも音楽フリーオプションに加入することで,LINE MUSICやSpotifyなどの音楽配信サービスの通信費もカットできます。
ただし,音楽配信サービスでポッドキャストやミュージックビデオを再生した場合は通信量カットの対象外になるなど例外もありますので,契約前によく確認するようにしてください。
mineo: マルチキャリアに対応
mineoはトリプルキャリアに対応している格安SIMサービスです。
料金設定はシンプルな6段階になっており,自分にピッタリのプランを契約できます。
混雑時間帯にのみ速度制限が実施される代わりに利用料金が最大450円安くなるオリジナルサービスを展開しており,少しでも安く利用したい方や回線が混み合う時間帯に利用しない方にもおすすめです。
その他にも下記のような独自サービスを数多く展開しています。
mineoの独自サービス一覧 (一部) | |
ゆずるね。 | 回線が混雑する昼間の時間帯に,回線の優先利用権を他の契約者に譲れるサービス。譲った回数に応じて特典が用意されている。 |
フリータンク | 月末に余ったパケットを他のマイネオ利用者に譲れるサービス。タンクに貯めておくことで,ギガ不足に陥った契約者がギガを貰えるようになる。 |
パケットギフト | 任意のパケット量を友人や家族などにプレゼントできるサービス。発行したギフトコードを相手に伝えるだけで簡単に受け取れる。 |
マイネ王 | マイネオ利用者が創るコミュニティ。会員登録することで疑問を投稿して回答をもらったり,他の利用者と会話したりすることができる。 |
また,低速モードに切り替えた際の最大通信速度を200Kbpsから500Kbpsにアップグレードできる「パケット放題」オプションを用意していて,月末にギガ不足に陥る方でも快適に利用できる試みを実施しています。
また,ウイルス対策アプリやバックアップサービス,端末保証プログラム,公衆無線LAN接続サービスなど多くのオプションを提供し,様々なサービスを組み合わせて利用できるようになっています。
BIGLOBEモバイル: エンタメフリー
BIGLOBEモバイルは老舗プロバイダーが運営する格安SIMサービスです。
最大の魅力は「エンタメ・フリーオプション」で,エンターテイメントアプリを楽しむ際に通信制限にとらわれず利用できるという優れたサービスです。
音楽配信サービスを始め,ラジオ配信,動画配信,電子書籍配信など幅広いサービスに対応しており,ギガを消費しやすい主要アプリで適用可能となっています。
対応サービスの詳細は下記の通りです。
- 動画配信
YouTube,ABEMA,U-NEXT,YouTube Kids - 音楽・ラジオ配信
Google Play Music,YouTube Music,Apple Music,Spotify,AWA,Amazon Music,LINE MUSIC,dヒッツ,RecMusic,楽天ミュージック
radiko,らじる★らじる - 電子書籍配信
dマガジン,dブック,楽天マガジン,楽天Kobo
YouTube Kidsもエンタメ・フリーオプションの対象であるため,お子さんが利用する場合でも通信量を気にする必要がなくなります。
これまで,固定回線を契約していない場合は携帯電話料金が高額になりがちでしたが,本オプションを利用すれば,賢くギガ消費を抑えられる魅力的なサービスです。
本サービスの料金は音声通話付きSIMの場合は月額480円,データ専用SIMの場合は月額980円です。
OCN モバイルONE: 通信品質1位
OCN モバイルONEはNTTコミュニケーションズが運営する格安SIMサービスです。
最新端末の取り扱いが多く,端末とセットで契約することで超お得に利用できます。
時期によっては1円で購入できるAndroid端末を販売していることもあり,価格競争が激しいスマホ市場で差別化を図っています。
また,二期連続でドコモ回線の通信品質において総合1位評価を獲得するなど,実績も十分です。
低速モードや通信速度制限時にウェブページの読み込みを高速化するバースト転送機能や固定電話並みに通話料金が安くなる050IP電話サービスなど,他社にはないサービス提供も行っています。
IIJmio: サポートが充実
IIJmioはユーザーサポートや最新端末の動作確認を活発に行なっており,安心感・信頼感のある格安SIMサービスです。
音声通話付きSIMにかけ放題オプションを追加することで通話料金を気にすることなく,何度でも定額で電話をかけることができるようになります。
オプションサービスを利用すると,同一名義で契約した家族との通話料金が1回あたり最大30分無料になるサービスを行っていて長電話も心置きなく楽しめます。
そして,ファミリーシェアプランなるサービスも提供しており,最大10枚のSIMカードを発行することが可能です。1つのデータ容量を複数SIMで利用することになるため,家族で分け合ったり,複数デバイスで使い分けたりすることができます。
これまでIIJmioでは通信障害などの大規模トラブルは発生しておらず,メンテナンスも行き届いていることから信頼できる事業者と言えます。
ドコモ回線格安SIMは選択肢が多い
今回はドコモ回線の格安SIMサービスについて,特徴とおすすめ事業者を紹介しました。
格安SIM取り扱い事業者の中でもドコモ回線を契約できるプロバイダーは圧倒的に多く,たくさんの選択肢から自分自身に合ったプラン・サービスを選ぶことができます。
また,ほとんどのスマートフォンでドコモ回線に対応しているため,SIMフリースマホを購入して利用するのもおすすめです。
各プロバイダーでは家族で複数回線契約すると割引が適用される家族割を実施していますので,この機会に家族全員で格安SIMに乗り換えてみてはいかがでしょうか。
今回は以上です。