格安SIMとWiMAXはどちらが便利に利用できるのか解説する

最近,大手キャリアの料金引き下げが行われていますが,未だに高いと言わざるを得ない価格設定です。

しかし,格安SIMは手頃な料金で自分自身にあったピッタリのプランを見つけることができるため,携帯電話料金を大幅に減らすことができます。

一方,格安SIMは大手キャリアと比較して通信速度が十分に出ないというマイナス面もあることから,契約に踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

そんな時に速度面で優秀な実績を持っているのが,WiMAXです。

WiMAXで音声通話を利用することはできませんが,通信速度は4G LTE回線よりも断トツに速く,満足度も高いインターネット通信サービスの1つです。

今回は格安SIMとWiMAXの違いや特徴についてお伝えします。

格安SIMとWiMAXの違い

2つのサービスはどのような点において違いがあるのでしょうか。

大きく違いがあるのは,通信方式です。

格安SIMの場合は大手キャリアから回線を借りて運用しており,自社で管理しているわけではありません。

回線の種類はLTEで,サービスの提供エリア範囲がとても広くなっています。

一方,WiMAXの場合は独自回線を構築していて,他社から回線を借りていません。

自社で回線網を整備しているため,通信速度が落ち込みにくく,利用者が多くなる時間帯でも比較的安定しています。

回線の種類はWiMAX2.1(WiMAX2+と呼ばれている)で,LTEよりエリアは狭くなるものの,全国で利用可能です。

このように回線自体が異なり,通信方法にも違いがあります。

そのため,格安SIMで用いられているSIMカードとWiMAXで用いられているSIMカードの形状は同じものですが,スマートフォンにWiMAXのSIMカードを挿入しても利用することはできません。

格安SIMの特徴

格安SIMは大手キャリアより安く利用できるというメリットがあります。

他にはどのような特徴があるのでしょうか。

メリット

格安SIMには様々な組み合わせで利用できるという特徴があります。

格安SIMでは端末を同時購入することなく,SIMカード単体で利用することが可能です。

加えて,4G LTE回線に対応しているスマートフォンやルーター端末が多く発売されているため,端末とSIMカードの組み合わせは無限大です。

海外製のSIMフリースマホや国内メーカーのスマホ,WiMAXのようなモバイル型ルーターなど色々な機器で利用できます。

また,格安SIMを提供しているプロバイダーが10社以上あり,大手キャリアよりも選択肢が多くなっています。

料金プランも多種多様で,通信量が少なくて良いという方にもおすすめできます。

デメリット

格安SIMでは料金プランが多種多様で,一律の基準がありません。

そのため,サービス内容が各プロバイダーごとに異なり,シンプルな比較ができません。

大手キャリアでは無料で使えていたキャリアメールなどもオプション扱いになっていることがあり,不便に感じることがあります。

そして,通信速度は常に不安定で,時間や時期,場所によって大きく異なります。

数分前までは快適に使えていたのに急に速度が低下した,ということは日常茶飯事です。

したがって,WiMAXと比較すると,WiMAXは速度面でトップを誇っているため,格安SIMは全く歯が立ちません。

格安SIMでも通信容量無制限を謳うプランが存在しますが,無制限プランは速度が制限されているため,到底WiMAXには敵いません。

WiMAXの特徴

WiMAXにも格安SIMでは実現できないメリットがあります。

ここからは,WiMAXの特徴について見ていきましょう。

メリット

WiMAXは通信速度がとても速く,固定回線並みと言われています。

それもそのはず,最新ルーター端末を利用することで最大1.2Gbpsのスピードを実現したのです。

実際には1.2Gbpsが出ることはありませんが,電波の受信状態が良好な場所であれば,30~40Mbps程の速度で利用できます。

YouTubeでは1080P画質で視聴するのに必要な通信速度は5Mbpsと言われており,30~40Mbpsが出れば大抵のことは問題なく行えます。

また,月間通信容量に上限がない「ギガ放題プラン」を選択することで,1ヶ月あたりの通信容量制限がなくなります。

連続した3日間で合計10GB以上の通信を行うと,当日18時~翌日02時までの間は通信制限がかかりますが,制限時でも最大通信速度が1Mbpsと緩い設定です。

そのため,ウェブサイトの閲覧やLINEの送受信,音楽配信サービスの利用程度では不満なく利用できると思います。

デメリット

まず,WiMAXは利用場所によって通信できない箇所があります。

WiMAXはBand41という高周波数帯の電波を利用していて,高周波数帯の電波は障害物に弱い特徴があります。

したがって,ビル内で窓から遠ざかったり,地下やトンネルに入ったり,山間部に移動したりすると電波が受信できなくなります。

LTE回線ではプラチナバンドと呼ばれる障害物に強い周波数帯の電波が飛んでいるため,屋内でも問題なく利用することができるのです。

そして,料金プランは1ヶ月に7GBまで利用可能な「ライトプラン」と月間通信容量が無制限の「ギガ放題プラン」の2種類のみです。

WiMAXを取り扱っているプロバイダーは多くありますが,格安SIMのようにプランが豊富にあるわけではありません。

月額利用料金は基本的に4,000円を超え,格安SIMの1,000円台と比較すると利用しづらい印象です。

以上から,回線速度を最重要視する方はWiMAXを利用しても良いかもしれませんが,できるだけリーズナブルに利用したい方はあまりおすすめできません。

格安SIMとWiMAXではどちらがおすすめ?

ここまで,格安SIMとWiMAXの特徴についてお伝えしてきました。

それでは,どちらを利用するのがおすすめなのでしょうか。

まず,格安SIMは下記のような方におすすめできます。

  • 手軽に始めてみたい
  • できるだけ低価格で利用したい
  • 出張が多く,新幹線をよく利用する
  • スマホの利用頻度が低い

格安SIMは低価格帯から提供されているため,誰でも手軽に使い始めることができます。

出張や外出が多く,遠くまで移動される方は,より広範囲をカバーしているLTE回線の利用をおすすめします。

特に新幹線では長距離のトンネルを通過するため,WiMAXでは通信が途切れる原因となります。

スマートフォンの利用頻度がそこまで高くない方でも利用しやすいプランが各社からリリースされていますので,ぜひご確認いただければと思います。

次に,WiMAXはどのような方におすすめできるのでしょうか。

  • 高速なインターネットを利用したい
  • 大容量の通信を行う
  • 受信しにくい場所で使用することはほとんどない
  • 複数機器を同時接続したい

WiMAXは利用料金が高い分,通信速度は安定しています。

オンラインゲームや映像視聴などでインターネット回線による遅延を少しでも軽減したい方におすすめです。

大量のファイルをクラウドに保存したり,ダウンロードしたりする方も通信量を気にすることなく利用できます。

WiMAXを使う場合は,電波が受信しにくい場所での利用は諦めることを覚えましょう。

その他にも同時にスマートフォンとPCを接続して使いたい場合にWiMAXが役立ちます。

格安SIMでもスマートフォンのテザリング機能を利用して他機器を接続することはできますが,速度が安定しません。

多くの機器を1度に接続することが多い場合は,WiMAXの利用をおすすめします。

利用用途によって使い分け

今回は,格安SIMとWiMAXのどちらがより便利に使えるのかという話題でお送りしました。

どちらにも長所と短所がありますので,それぞれの特徴を理解した上で最適だと思われる方を選択いただければと思います。

また,価格は判断材料の1つですが,格安SIMとWiMAXは同じサービスではありませんので,価格だけでは決定しないようにしてくださいね。

最後に,本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。