近年,段々と格安SIMが認知され始め,利用者も増加しています。
格安SIMはメリットが多く,大手キャリアから乗り換える方も増えてきています。
そんな格安SIMと呼ばれるサービスを,皆さんはご存じでしょうか。
認知度は上がってきているのですが,やはり知らない方も一定数はいるように感じます。
私の周りでも,家族で同じ携帯電話会社で契約していたら安くなるから,という理由で未だに大手キャリア(au,docomo,Softbank)を利用している人もいます。
それでは,どんな点において大手キャリアと格安SIMに違いがあるのでしょうか。
今回は,格安SIMの大まかな概念と格安SIM選びで注目すべき点をお伝えします。
格安SIMとは
まず,格安SIMって何? というところからですよね。
ざっくりとしたイメージを掴んでもらえるように,4つに分けてご説明します。
大手キャリアの回線を借りている
格安SIMでは,大手キャリアの回線を借りて運用していて,自社で回線を整備していません。
契約するプロバイダーにもよりますが,au,docomo,Softbankの3プランに分けて販売しているところが多いです。
格安SIMでは,3つの中で一番安く利用できるのがdocomo,一番高くなっているのがSoftbankです。
格安SIMのプロバイダーでは,大手キャリア各社と契約を結んで回線を分けてもらっているため,大手キャリアで通信障害が発生すると格安SIMの当該プランでも通信できなくなってしまいます。
安く使える
格安SIMを利用する上で最大のメリットが価格です。
大手キャリアでは1ヶ月で8,000円近く支払っている方が多いようですが,格安SIMでは数千円で済むことがほとんどです。
格安SIMは大手キャリアと比較して実店舗が少なく,手続きがすべてウェブ上で完結するため,人件費や店舗の維持費用を支払わずに済むのです。
また,回線も大手キャリアのものを借りているため,メンテナンスや整備を自社で行う必要がなく,コストカットにつながっています。
これらの理由で,大手キャリアより安い利用料金が実現できています。
SIMカードは同じ
SIMカードの形状は,大手キャリアのものと違いありません。
SIMカードには大きさや形状が異なる3種類がありますが,契約時にご自身の利用する機器にあった種類を選択することで,そのまま機器を使うことができます。
ただ,大手キャリアで端末を購入した場合はSIMロックという機能が有効化されている場合があります。
SIMロックの制限を受けている場合は,ロックを解除するか,同種の回線を利用することで格安SIMを利用できるようになります。
SIMロックは大手キャリアのホームページまたは実店舗で解除することが可能です。
SIMロックがかかっている状態では他社回線のSIMカードを挿入しても認識せず,利用できません。
通信速度は低下しがち
格安SIMで注意しなければならないのが通信速度です。
大手キャリアを利用している方は経験することがない現象なのですが,格安SIMではお昼や通勤時間帯になると通信速度が急激に低下します。
理由は単純で,利用者が増えて回線のアクセスが集中してしまい,処理を捌ききれなくなるためです。
前述した通り,格安SIMでは自社網の回線がありません。
したがって大手キャリアから回線を借りているわけですが,大手キャリアほど利用できる帯域が広くないのです。
そのため,深夜や早朝など利用者が少ない時間帯は速いのですが,多くなる日中は混雑してしまい,通信速度が安定しません。
通信速度を最も重視される方は,格安SIMの利用はおすすめできません。
格安SIMの選び方
ここまで,格安SIMの特徴をご説明してきました。
格安SIMは価格が安く魅力的ですが,契約する際はどのような点に注意しなければならないのでしょうか。
通信速度
やはり,通信速度は重要なカギになります。
格安SIMの中でも契約者の人数や借りている帯域量によって,通信速度は大幅に異なります。
通信速度が速く有名なのは,UQ mobileやY! mobileで,この2つはauとSoftbankのサブブランドという立ち位置です。
このサブブランド会社は,通常の格安SIMと違ってauやSoftbankのグループ会社です。
すなわち,他の格安SIMよりも多くの帯域がもらえて,優遇されているということです。
しかし,他の格安SIMプロバイダーも様々な取り組みで,契約者が快適に利用できるように努めています。
試してみたい格安SIMプロバイダーがあれば,プリペイド式のお試しプランを購入して,通信速度を体感してみてはいかがでしょうか。
電話の有無
最近はほとんどの方がスマートフォンを所有していますが,利用用途はSNSやストリーミングサービスの視聴,ゲーム,インターネットサーフィンなどが多い印象です。
電話もLINEで済ましてしまう方が多く,音声通話は使わないという方もいるのではないでしょうか。
一切電話番号を利用した音声通話を行わない場合は,データ専用SIMカードを契約するという手もあります。
データ通信専用SIMは音声通話機能が省かれている分,音声通話付きSIMカードよりも安く利用できます。
しかし,音声通話を契約しなければ緊急ダイヤルが利用できなくなるため,個人的には音声通話付きSIMカードのご利用をおすすめします。
音声通話を利用するかどうかは,皆様の利用状況によって大きく変わると思いますので,最適なプランをご選択いただければと思います。
データ容量
これも格安SIMを契約する上で重要になるポイントの1つです。
大手キャリアのプラン構成はほとんどが大容量のものか,通信容量無制限のものです。
しかし,格安SIMでは少ない容量から選択できるため,無駄な出費を抑えられます。
格安SIMには通信容量無制限プランは存在せず,大容量になるほど高額になります。
なるべく自分が使う容量に近いプランを契約するためにも,普段から1ヶ月あたりどれくらいの通信量を消費しているのか知っておくことが大切です。
もし,10GB/月以上利用する場合は,WiMAXなどの大容量インターネット通信サービスを利用されることをおすすめします。
Wi-Fiに接続して使用した分の通信量は除外してください。
利用する機器
格安SIMではSIMカードのみの契約か,端末とセットの契約か選ぶことができます。
ただし,端末は最新端末を取り扱っていないことが多く,端末のスペックも低いことが多いです。
そのため,端末は別に購入し,格安SIMではSIMカードのみの契約を行うのがおすすめです。
格安SIMの各プロバイダーでは動作確認端末の一覧が公開されていますので,ご利用予定の端末が対応しているかどうか確認してください。
格安SIMは選択肢が多い
ここまで,格安SIMの特徴を見てきましたがいかがでしたか。
格安SIMは選択肢が少ないという方もおられますが,私は選択肢が多くあるのではと思っています。
選べるプロバイダーはたくさんありますし,プランも数多く展開されていますので,自分にあったプロバイダーとプランを選ぶことができます。
また,各社様々な工夫を凝らしたサービスを提供していますので,各プロバイダーのウェブサイトを見るだけでも面白いと思います。
最後に当記事が,ご覧いただいている皆様のお役に立てれば幸いです。