悩んでいる人
悩んでいる人
本記事ではこんな疑問を解決します。
昨今は何をするにも欠かせないツールになってきているスマホ。人によってはPCを持たずスマホ1台という方もおられると思います。
近年は格安SIMが普及し,従来よりも安価な料金でスマホが持てるようになりました。
しかし,いざ緊急事態になったときに連絡手段として成り立たなければ意味がないですよね。
そこで今回は「格安スマホが抱える災害時のデメリット【大手キャリアとの違いは?】」について書きました。
本記事を最後まで読み終えれば,災害時における格安スマホのデメリットと対策方法はもちろん,格安スマホが普段使いに問題ない理由も一瞬で分かりますよ。
それでは早速見ていきましょう。
RYO
本記事では「格安SIMで運用しているスマートフォン」を格安スマホと呼んでいます。
目次
格安スマホが持つ災害時のデメリット
結論,災害時に格安スマホがデメリットになり得ることは以下の3つ。
- 大手キャリアと同じ災害伝言板を使えない
- 050IP電話は緊急通報ができない
- かけ放題はつながりにくくなる
順を追ってご説明しますね。
大手キャリアと同じ災害伝言板を使えない
格安スマホでは大手キャリアが提供する災害伝言板を使えません。
なぜなら大手キャリアの契約者のみが利用できるシステムだから。
でも,NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル (171)」は誰でも使うことができます。
使い方も171番へ電話するだけというシンプルなものなので戸惑うことはないでしょう。
RYO
050IP電話は緊急通報ができない
格安スマホ契約者がオプションとしてよく利用する050IP電話。通話料金を抑える目的で使う方もいるのではないでしょうか。
しかし,050から始まるIP電話は警察 (110)や救急 (119)などの3桁緊急ダイヤルに発信することはできません。
050IP電話の仕様上位置情報の送信ができないからというのが理由。緊急ダイヤルでは通報者の位置情報を自動的に取得する仕組みになっています。
例えば固定電話なら契約者の住所,携帯電話の音声通話なら基地局やGPSから位置情報を割り出しますよ。
050IP電話の場合は事前に警察署や救急の電話番号を把握しておくことは大切ですが,大規模災害時には110番や119番からの通報を優先される可能性があるのでおすすめしません。
かけ放題はつながりにくくなる
ほとんどの格安SIMでは専用アプリを介して電話をかけることで通話料金がお得になるサービスを展開しています。
ただ,これらのサービスは格安SIM事業者が独自で整備する中継サーバーを経由して提供されるため,アクセスが集中すると電話の主回線よりも先に中継サーバーがダウンしてしまうのです。
そうなると電話回線自体には問題がなくてもそれ以前のシステムトラブルで足止めを食らうことになります。
したがって,災害時にはプレフィックスや専用アプリを使用せずにスマホ標準の電話アプリを使うように覚えておいてください。
RYO
【格安スマホだけではない】災害時に起こる通信障害と対処法
格安SIMでも大手キャリアでも起こりうる通信障害のデメリットとその対策方法は下記の3つ。
- 電話がかかりにくくなる
- ネットの通信速度が遅くなる
- 緊急地震速報 (Jアラート)が受信できない
順番に解説しますね。
電話がかかりにくくなる
災害時には大勢の人が同時に電話をかけようとし,電話回線が混雑します。
するとつながらない電話も出てくるわけですが,救急や消防などの緊急ダイヤルを後回しにするわけにはいきません。
そこで緊急通報に支障が出ないようにするため,携帯電話会社が電話の発信に規制をかける場合があります。
ただし,音声通話の発信に制限を設けるのは大手キャリアで,結果的に回線を借りている格安SIMにも影響が及ぶということなのです。
RYO
ネットの通信速度が遅くなる
災害時のアクシデントはネットも例外ではありません。
1つの基地局で一斉にネット通信を試みると通信速度の低下を招くことになります。
特に山間部や地下といった電波の届きにくい場所は遅くなりがちなので,安否確認など必要な通信以外は控えるよう心がけましょう。
RYO
また,駅や公共施設,学校,避難場所などのWi-Fiスポットでは災害の状況に応じて「00000JAPAN」が解放されます。
使い方は簡単で,スマホのWi-Fi設定から「00000JAPAN」に接続するだけ。ただ,通信の暗号はされていないので,個人情報の入力は控えるようにしてください。
ちなみに格安SIMが普段から遅いと感じている方は格安SIMの通信速度が遅い原因と理由【初心者に分かりやすい図解入りです】をご覧ください。
KDDI・NTT docomo・SoftBankの3大キャリアが大規模災害発生時に無料開放する災害時統一SSIDのこと。
公衆無線LAN接続サービス (Wi-Fiスポット)を提供しているショッピングモールや公共施設,駅などの主要エリアで利用でき,災害発生後は最短でも1週間ほど解放されることが多いようです。
00000JAPANは無線LANのアクセスポイントから発信されるため固定回線に接続されている可能性が高く,モバイル通信よりも安定した通信が実現できますよ。
緊急地震速報 (Jアラート)が受信できない
悩んでいる人
悩んでいる人
こんなお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
結論,緊急速報の利用可否はスマホ本体に依存します。
したがって「格安SIMだから受信できない」「大手キャリアだから受信できる」わけではないのです。
格安SIMで運用するにあたり確実に緊急速報を受信したいのであれば,SIMフリー版のiPhoneやソニーストアで販売されているXperiaなどがおすすめ。
「Yahoo! 防災速報」「ゆれくるコール」「特務機関NERV防災」など。
RYO
熊本地震で対応実績がある格安SIM
実際に災害が発生した際に対応したのは以下6つの格安SIM事業者。
- mineo
- IIJmio
- OCN モバイル ONE
- イオンモバイル
- UQ mobile
これから格安SIM事業者の対応方法を含めて詳しくご紹介しますね。
mineo
災害時の対応: フリータンク機能の前倒し解放 (2GBの引き出しが可能)
mineoは関西電力系のオプテージが運営する格安SIMサービス。
熊本地震だけでなく,2021年に発生した西日本豪雨の際や新型コロナウイルスによるオンライン授業の援助でも積極的にデータ容量の無償提供を行いました。
ユーザ-ファーストを掲げており,マイネ王と呼ばれる掲示板では運営者の方と直接コミュニケーションをとることができるようになっています。
利用者が不便だと感じる点は素早く改善がなされるなど,ユーザーの声が反映されやすいと評判です。
RYO
IIJmio
災害時の対応: 2GBのデータ容量を提供
老舗のインターネットプロバイダー「インターネットイニシアティブ」が運営する格安SIMサービス。
被災地のユーザーに対して2ヶ月分の月額料金を免除した実績もあります。
運営会社は災害発生時のサービス提供方法を策定しているので,安心して利用できること間違いないでしょう。詳しくは災害時のIIJmioのご利用についてをご覧ください。
OCN モバイル ONE
災害時の対応: 5GBのデータ容量を提供
OCN モバイル ONEはNTTコミュニケーションズが展開する格安SIMサービス。
とにかく月額料金が安く利用期間の縛りがないので,気軽に契約できるのが特徴です。
レンタル機器が破損した場合には無償で代替品と交換したり,基本料金の支払い免除を行うなど,大型企業らしい手厚いサポートが見られました。
イオンモバイル
災害時の対応: 2GBのデータ容量を提供
イオンモバイルはイオンリテールが販売する格安SIMサービス。
全国展開するイオンモールの店頭で契約できるので,煩わしいネットでの手続きが不要です。
災害時には他社格安SIMと同じく,無償でデータ容量の提供を行っています。
UQ mobile
災害時の対応: 追加データを購入した場合に追加分を無償提供
UQ mobileはKDDIのサブブランドとして展開している格安SIMサービス。
格安SIMの中では圧倒的な通信速度の速さと利用料金のバランスの良さが人気です。
運営会社がau系列ということもあり,災害時は大手キャリアと大差ない対応ですね。
UQ mobileで購入したスマホは緊急速報の受信に対応しているか,公式HPで確認できますよ。
【結論】災害時でも格安スマホは大手キャリアと遜色なく扱える
本記事では「格安スマホが抱える災害時のデメリット【大手キャリアとの違いは?】」についてお伝えしました。
- 大手キャリアの災害伝言板は使えない
- 050IP電話では緊急通報できない
- 緊急速報の受信ができない可能性がある
- 電話がつながりにくくなる
- ネットの通信速度が低下する
- 定額通話サービスは混雑しやすい
災害時には普段と環境が一変し,冷静に対応できないことがあります。
でも,上記のような制限事項を知っておくことで,無駄に試行錯誤する時間が省けるはずです。
また,格安SIMの特性を理解しておけば,日常的に格安スマホを利用していても問題ありません。
災害時にかかる制限のほとんどは「格安スマホだから起こるのではない」ということを念頭に,災害が起こる前にきちんと対策してくださいね。
格安SIMへの乗り換えを検討している方は【格安SIMに乗り換えたい方へ】2回のタイミングと5つの移行手順をご覧ください。
今回は以上です。