格安SIMに潜むデメリット4つ 初心者が格安SIMを快適に利用するには

格安SIMは安くてお得って耳にするけど,実際のところはどうなの? デメリットも知っておきたい。

今回はこのような疑問にお応えします。

格安SIMは毎月の利用料金が安く,手軽に試すことができます。

また,格安SIMに乗り換えるメリットを解説している記事はよく見かけますが,デメリットを詳しく解説している記事はほとんど見かけません。

そこで今回は格安SIMのデメリットとその解決方法,そしておすすめの格安SIMサービスについて解説します。

格安SIMの4つのデメリット

格安SIMは大手キャリアと比べて利用料金が安く,メリットが多いように感じます。

実際も格安SIMに乗り換えた方の大半が満足する結果となっていますが,なかには格安SIMに乗り換えて後悔する方もいます。

ここで格安SIMへ乗り換える前にきちんとデメリットを理解しましょう。

通信速度が遅く不安定

大手キャリアと比較すると,格安SIMの通信速度は低下しがちです。

格安SIMは自社回線を保有しておらず,大手キャリアから借りた回線で運用しています。その影響で十分な帯域幅を確保することができず,通信速度の低下を招いてしまっているのです。

主に速度が低下しやすいのは下記の時間帯です。

速度の低下は多くの利用者が同じ時間帯に利用するために発生する事象で,利用者が集中しない時間帯では問題なく使うことができます。

解決策

格安SIMの中にも,サブブランドという立ち位置で提供しているサービスがあります。

サブブランドは他の格安SIM事業者とは異なり,親回線からある程度の帯域幅をもらっています。多くの帯域を利用できるということは利用者が増えても安定的に供給できるということであり,速度が低下しづらいということにもなるのです。

そもそもサブブランドとは大手キャリアのグループ会社が運営している格安SIMサービスです。そのため,単一回線の取り扱いしかありませんが,大手キャリアに負けない通信品質を誇っています。

他にもサービス内容が大手キャリアと格安SIMのいいとこ取りといった感じで,大手キャリアから乗り換えに不安を感じておられる方にもおすすめです。

現在はauのサブブランドであるUQ mobileとSoftbankのサブブランドであるY! mobileがあり,どちらも高速で安定した回線を提供しています。

通話料金が高い

大手キャリアでは同じキャリア同士や家族間で通話料が無料になったり,定額サービスで課金通話が必要なくなったりするケースが多い一方,格安SIMでは30秒ごとに20円の通話料が発生します。

最近はLINE通話などのIP電話を利用する方が多くなり,音声通話を使用する頻度は減っているように感じますが,まだまだ仕事で利用しなければならない方も多いはず。

加えて,携帯電話宛でも固定電話宛でも通話料金は変わらないため,頻繁に利用する方は注意が必要です。

解決策

格安SIMの各プロバイダーは通話料が半額になる独自アプリを提供しています。

使い方は簡単で,そのアプリを事前にダウンロードしておき,発信する際にアプリ経由で電話をかければ半額になるのです。アプリを利用することで電話番号が変わったり,発着信に問題が発生したりすることはありません。

また,頻繁に通話を行う方は別途IP電話サービスを契約することで,固定電話並みに安い通話料金で利用できるようになります。IP電話サービスは月額料金が発生するものや通話料のみで維持費は必要ないものなど何種類かありますので,ご興味がある方は確認してみてください。

オプション扱いが多い

格安SIMでは標準で用意されているサービスは少なく,ほとんどがオプションとして提供されています。

大手キャリアで契約していると無料で利用できていた留守番電話サービスや迷惑電話拒否サービス,公衆無線LAN接続サービスなどはオプション扱いになっています。

オプション扱いのサービスを多数契約してしまうと大手キャリアと大差ない利用料金になってしまう可能性がありますので,必要なサービスのみ利用するようにしてください。

提案

オプションサービスの中でも無料で利用できるものと有料のものが混在しています。

無料提供しているサービス内容はプロバイダーごとに異なり,すべての事業者が同じわけではありません。オプションサービスの利用予定がある方は各社の対応状況も比較検討していただければと思います。

そして,格安SIMで提供しているオプションサービスは通話・通信内容に関わるものだけではありません。利用料金とあわせて決済することでお得に利用できる有料の音楽・映像配信サービスが提供されているケースもありますので,興味があればご確認ください。

最新端末が少ない

格安SIMではスマートフォンの取り扱い数が少ない印象です。

最新端末やハイエンド(高性能)端末の取り扱いも少なく,エントリークラスのスマートフォンが多く用意されています。最近では高機能なスマートフォンを求める方が増加し,ニーズに応えられていないのが実状です。

iPhoneも例外ではなく,唯一格安SIMで販売されているのがiPhone SEの第2世代のみです。特に日本はiPhone利用者が多いと言われており,iPhone目当ての契約者を逃している状況です。

ただ,まともに利用できるスマートフォンも販売されているため,あえて低価格な端末を試してみるという手はありだと思います。

解決策

格安SIMを利用する場合は端末購入とSIM契約は別々に行うのが鉄則です。

例えば,Xperiaの場合はSONYストアから,iPhoneの場合はAppleストアからSIMフリー版のスマートフォンを購入するのがおすすめです。SIMフリー端末は大手キャリアで購入する端末とは違い,SIMロックと呼ばれる利用制限が設けられていません。

SIMロックがかかった状態のままだと他社回線を利用できないなど何かと不便に感じることが多くなりますので,格安SIMを利用する際はできるだけSIMフリースマホを選ぶようにすると良いですよ。

おすすめ格安SIM4選

格安SIM事業者は10社以上を超えますが,すべてのプロバイダーで良質なサービスを提供しているわけではありません。

今回は4つに厳選して,おすすめの格安SIMをご紹介します。

Y! mobile

ソフトバンクグループが運営しているサブブランドの格安SIMです。

通信品質に優れていて,速度が低下しがちな時間帯でも高速通信を利用できます。ソフトバンクのプラチナバンドで山間部や電波が届きにくい場所でも快適に利用できます。

また,音声通話が10分/回以内であれば無料になるサービスが標準添付されており,オプションに申し込むことで時間・回数無制限の完全定額通話サービスも利用できるようになります。

LINEモバイル

LINEのグループ会社が運営する格安SIMサービスです。

格安SIMの中では唯一LINEの年齢認証に対応しており,若者の中で高い支持を受けています。LINEを頻繁に利用する方やID検索を使いたい方は,LINEモバイルの利用が必須です。

LINEモバイルでは全プランでチャットアプリ「LINE」の通信費が無料になるサービスを提供しています。そのため,LINEでの動画や画像の送受信,LINE通話の音声・ビデオ通話でギガが減ることはありません。

追加料金を支払うことでTwitterやInstagramの通信費もカウントされなくなるSNSデータフリーサービス,Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービスの通信費が消費されないSNS音楽フリーサービスを利用することもできます。

月末にギガ不足に陥りやすい方は,LINEモバイルで賢く節約してみてはいかがでしょうか。

mineo

関西電力系のオプテージが運営していて,トリプルキャリアに対応しているプロバイダーです。

au,docomo,Softbankのすべての回線を取り扱っているため,1人で複数回線を契約したい方や家族で別々の回線を契約したい方におすすめです。

mineoではマイネ王,パケットギフト,ゆずるね。など様々な独自サービスを展開しており,余ったパケットをmineoの利用者同士で譲り合える「フリータンク」機能はグッドデザイン賞を受賞しています。

楽天モバイル

格安SIMの中で楽天モバイルのみが自社回線網を整備しています。

楽天モバイルでは楽天回線エリアとパートナー回線エリアの2種類があり,楽天回線エリアの場合は通信量に上限がありません。

パートナー回線エリアの場合は1ヶ月に5GBまで利用でき,5GBを超過すると速度制限の対象となります。ただ,速度制限中も最大通信速度が1Mbpsとなっており,通常利用では問題ないレベルです。

そして,近年注目を集めている5G回線についても整備を進めており,5G対応エリアでは追加料金を支払うことなく利用することができるようになっています。

格安SIMはデメリットだけではない

今回は格安SIMのデメリット4つについて,詳しく解説してきました。

大手キャリアと比較すると格安SIMにもデメリットがありますが,使い方次第でメリットに変えられます。

大手キャリアから格安SIMに乗り換えることで毎月最大5千円ほどお得になる場合もありますので,この機会に乗り換えをご検討いただければと思います。

この記事をご覧いただいて格安SIMに切り替えたいと感じた方は,すぐに行動へ移しましょう。

今回は以上です。